メッセージ

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一昨日は

旅モードで浮かれてしまい

神だの仏だの

連発してしまいました。 

 


でも思い返せば

わたしの心に残る旅はいつも、

神さまのことを思う気がします。

 


あの柴犬は私たちの前を

先導するように走ったり

後ろを追いかけてきて

 


一度だけ「ワン」と言って

林道の前で止まりました

 


車を止めると

私たちがついてくるのを

確認しながら林に入ってく…



その時、息子は寝ていて

息子を車に残したまま

林を登って行きました

 


胸の内で大丈夫だと

わかっていたから…



どこに行くのかと思うと

四方、高くのびた

杉に囲まれたところで  

犬は立ち止まる

 

 

確かにいい景色だな…

わたしはそこで深呼吸をして

この景色を楽しめってことかな?

などと思ったりしながら

 

 

また先に進み出した犬に

ついて行った

少しして、旦那さんは

「ここまでだな」と言って立ち止まり

 


わたしもその時同じく、

息子の元に戻りたい、

と思った…以心伝心! 


 

犬は私たちに

おとなしくついてくる 

 


旦那さんはどんどん先を行き

わたしがゆっくりついてくと

わたしが追いつくまで、

待っててくれてる

 



首輪はあるけどリールはない

しつけというか

礼儀をわきまえた

賢くて優しい犬



車に戻り、「もう帰るね」と

お別れをして車を出した。

 


ついてきてないと思い

スピードをあげる

 


「いなくなった?」

「いなくなったね…」


 


「いや、ついて来てる…」

 


真後ろについて走ってる…

危ないよ…!

どうすればいい?



再び、車を止める

息子も目を覚ました 

 


降りて近づくと

走りすぎたからか

爪の間から血が出てる…

痛そうに少しヨロつく

 



旦那さんに言われて

さっき、汲んできたばかりの

湧き水をあげると

 


あっという間に飲んで

ハッハッと舌をたらしながら座ってる

たくさん走ってきたもんね…

 



わたしの持ってる温熱療法で

傷口に薬草の煙をかけてあげた

 

 

どうすればいいの?

もうこれは連れて行けってこと?

旦那さんは戸惑ってる…


 


何度かドアを開けて

「乗る?」「乗っていいよ」

「おいで!」と言っても

乗ろうとはしない。

休んでるのか、動けないのか…



 

「これで車を出して、

ついてきたら連れて行こう…」

 



車を出すとついてくる…

車を止める

抱き上げると抵抗しない

車に乗せて、出発した

 

 


え〜ほんとに!?

これは連れて行けってこと??

この子飼うの?

 

 

私たちはある目的地に

向かっていたけど

ナビのルートから

いつのまにか外れていた

 



携帯は圏外だし

ガソリンは1メモリ…

このまま進むか、否か。

そこにあの犬は現れた

 



「飼い主がいるかもしれないから

道を引き返して、

途中あった民家の方に行ってみよう」



たぶん、1時間近く

一緒にいたかもしれない

わたしたちの服や車のシートには

血のシミがついた

 


わたしは乗せた時点で

飼うと覚悟してた

次は黒猫だと思ってたけどね…


 

窓から顔を出して

いい子にしてる

旦那さんは

名前まで考えちゃって




途中、どうもソワソワするから

車を止めると一度目はウン◯

 


まるで飼ってるかのように

「〇〇〜」なんて呼んでる

自分に違和感…


 


二度目のソワソワで

人気のある民家の前に降りてから

ついて来なくなった

 


あれはなんだったんだろう

すごく不思議だった

 


連れてこうと言った時

一番戸惑っていたのに

一番引っ張ったのは旦那さん

 



かなりの距離を引き返して

一度探しに戻ったけど

もういなかった…


 


わたしと息子は

あっという間に

飼う気になったけど

民家の近くで

ついて来なくなると

スーッと心は離れていった…


 


あの出来事がなんだったのか

わからないけど 


 

旦那さんはその出発の時

「今日はなんかいい予感がする」

と言っていた

 


そんなことを言うのは

すごく珍しい


 

その犬が現れるまでの間

旦那さんのプランにある

目的地に向かいながら

 


「ここ降りたい!」

「ちょっと、止めてくれる?」

と何度も車を止めては

 



無謀な道を入ろうとしたり

自生の多肉植物や

岩の段層の写真を撮ったり

 


湧き水を見つけて、

バックで戻ってもらったり…

 


予定通りになかなか

進ませてくれない

私たちに段々苛立っていた 

 

 


だけど、そんな風にして

湧き水を見つけて

水を汲んでみたりしてるうちに

美しい川を見つけた


  

その川の水は

澄み渡りキラキラ輝いている

 


メタリックに光る石とか

半透明な白い石とか

珍しい石がそこらじゅうにあって…

 


私も息子もその川が

すっかり気に入った。 

 



お母さんの作ったポテトサラダと

昨日、わたしの作ったカレーを

サンドイッチにして

食べてもいいな、と思ったけど

 


 

旦那さんのオーラが

ピリピリしてる…

この空気に負けると

言いたいことを飲み込んでしまう

その後、反動でキレる…


 

ここで落とし所を

探さなければキムチの二の舞だ



「今目の前に、見たこともないような

きれいな川があるのに

イライラするなんてもったいないよ。」 

 


「どうしても決めた予定通りに

動かなきゃならないの?」

  


「……。」

 


 「この時間を楽しもうよ

ここでサンドイッチ食べたら美味しいよ」

 

 

渓流に沿って車は走らせ

景色を眺めていると

ピン!と偶然見つけた脇道

 


「ここ気になる!

ちょっと止めてくれる?」

 


降りていくと

想像以上にきれいな川で

誰もいないけど

小屋があって、小屋の前には鳥居がある



川の前には

ストーンバランシングというらしい

やつが三つもあった


 


わたしの思う好きな旅は

予定はボンヤリと決めて

あとは直感に従って動く

 



そうすると、

それは、それは、不思議な…


笑っちゃうくらいの、

追い風が吹いてくる…

 



これこそが楽しい

ハプニングが楽しい




予定通りに進みたいのは

旦那さんだけだよ…

今や息子も存在感を増して

二対一という感じ



「好きにして…」イライラ

 


少し前なら、この場で喧嘩してる

この空気に耐えかねて、

わたしからケンカを売ってしまう… 

 


でも、旦那さんの気持ちも

よくよくわかる…

だから、それ以上の説得はやめた。

  

 


わたしの親は

わたしと兄が生まれる前に

脱サラをして、

約2年、ヒッピーのように

ヨーロッパやインドを旅していた



母はドレスを持って

フランスで合流し

結婚式はスイスで挙げた

なんてロマンチックなんだ

 



母は帰国し、父はインドに行き

兄がお腹に宿り

父は旅をあきらめた




わたしたちを育てる為に

再びサラリーマンになって

転職を繰り返し、

大学、短大にまで行かせてくれた


 


そういう親だから

小さい頃はよく

多摩川に連れて行かれた

連休はよくキャンプをしたし

 



タクシーを貸し切って

京都、奈良を回ったり

レンタカーで四国を一周したり

従兄弟とみんなで

パンツ一丁で川で遊んだり

 


 

だけど、四国一周の旅は

ひどい車酔いで吐きまくり

 


厳しい父の前では

いつもどこか緊張がとけず

 


都会育ちのませたわたしは

川遊びや神社仏閣に

夢中になれなかった

 



だけど今、

親の辿ってきた道や

あの頃の何かが

自分に蓄積されてるような…

蓄積されているのだと思った

 



その前日はしまなみに行き

アウトドアカレーを作ろうと

道の駅で野菜を買い

 


その隙に息子は

オムそばの屋台の前から

動かなくなり

 


「お母さん、ちょっと待って…!

これからカレーを食べるって

お父さんから聞いたんだけど…」

 



「せっかく来てくれたから」笑顔

タダでミニオムそばを

プレゼントされた。

奇跡だ…✨


 



旦那さんは

母の美味しいご飯を

前の晩も、その朝も

しっかり食べ過ぎて

お昼どきに食欲がない

 



息子もオムそばで満足気味

炎天下の下、怒りながら

一人でカレーを作った

 


黙々と野菜を切って炒めて

ホールトマトを手でにぎり潰して

(銀座のカフェレストランで教わった)

もう、ただの意地…

 



予定通りに

進むだけでは味わえない

 



一瞬の判断や躊躇で

その時は二度と訪れない

型にハマってはおもしろくない

 

 


一人旅をして

初めてこの感覚を味わった

どちらがいいかは

旅の目的や良し悪しだけど




人数が多いほど

遠慮が生まれやすく

心のままに進むのは難しい

 



だけど私たちは家族だ!

家族はチームだ!

この旅でよくわかったのは

全員、協調性がない…!!

 



たぶん3人とも空気は

かなり読めるのだけど

家族で行動すると

激しく調和がとれない

 



今まで、これでもかってほど

激しい感情をぶつけてきたし

下手な遠慮をして

いい結果になったことはない 

   

 


落とし所はどこだろう…?

ここで喧嘩をしたら

すべてが台無しだと思える

 


そう思える

冷静さがあったから

これはわたしにかかってる…


 


息子が一人で入っても

安心して遊べる川

おたまじゃくしを

手ですくい興奮して

あっという間に

川遊びに没頭してる


 


見たこともないような

きれいだったり不思議な石

旦那さんも石に見とれてる

  


冷たい水に足を入れてみたり

石の上に座ってみたり

そこで瞑想してみたり…

でもこれ以上集中できない

 



だから、帰ることにした

その後に犬は現れた

 


 

あの犬が来て、去ってから、

旦那さんは明らかに変わった

もう予定通りに

進もうとしなくなった

 



その後見つけた温泉に

わたしと息子が入り

その間に旦那さんは

そこで教えてもらった場所に

ガソリンを入れてきてくれた

 


温泉で話したおばちゃんは

県外から来ている

色々行くけど、ここが一番いい

 



初めは湧き水を汲みに来ていた

そこの水は半年たっても腐らない

と言われて、実験したけど

ほんとに大丈夫だった

 

 

さっき汲んできた

湧き水のことだった✨

 


飼い主には会えたのかな?

最初の杉林は人の手が入ってたな

あの犬との出会いで車を引き返したな

 

 

思い返すと、不思議に満ちていて

いろんな憶測が頭をよぎるけど 

あの犬からわたしが

受け取ったメッセージは

 



予定通りになんて行かないよ

流れに任せろよ

起こることを楽しめよ

ゆっくり行こうよ

たまには休憩しろよ

自然を守ってくれよ

生き物を大切にしろよ

そのうち動物と暮らすかもよ

ちゃんと体力つけとけよ

たまには自然の中を歩けよ

過ぎたことは過ぎたこと

来るもの拒まず去るもの追わず



すべてのことは〜♪

…メッセ〜ジ〜♫

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